【考察という名の雑妄想】第7の根源について【オクトラ2】
今回は急に思いついた『第7の根源』についての考察未満──言うなら妄想話を。
当然のことながらネタバレありです。ご注意をば。
・ハーヴェイの辿り着いた第7の根源
ハーヴェイが魔物の血の研究(と盗んだオズバルドの研究とその他諸々)から見出したのは、暗黒。
この暗黒は触れた人間がおかしくなるという大問題を抱えたもの。
しかし上記の問題は魔法の運用に際して『方程式が頭の中になければ使えない』という共通の問題として提示されている。
おかしくなっちゃうのはリスクデカすぎだけど。
しかしハーヴェイ自身が(元々嫉妬に狂った獣なのも手伝ってか)上手く扱っており、オズバルドの旅路の果てに立ちはだかっている。
・オズバルドの辿り着いた第7の根源
オズバルドは娘のエレナが生きていると分かり、またハーヴェイから守りたいと願った末に『オズバルドが元々持っていた方程式』と合わさり究極魔法という形に成った。
威力としても充分なのかハーヴェイと渡り合い、暗黒を根源とする究極魔法を用いるハーヴェイを破った。
クラリッサはこれを『愛』と解釈してオズバルドに伝えるが、なぜ結婚できたか分からない男でお馴染みのバッさんはこれを不可解だと否定。
いやアンタ割と愛深いよ?
・クリア後当初の僕の所感
僕ははじめ、2人が使用した根源を同一のものとして解釈していた。
クラリッサの唱える『愛』説ではなく、第7の根源とは『願い』とか『想い』みたいなものではないか? と考えていたのだ。
オズバルドの持つ『エレナを元の状態に戻したい』という願いの強さは言わずもがな、ハーヴェイの『オズバルドを超えたい』という願いの強さも目を見張るものがあった。別の目的があるとはいえ、そのためにオズバルドから妻子を奪って殺すくらいだし。
だから『第7の根源願い説』も割と遠からずなところはあると思うのだが、ある時僕はこうも考えた。
これ別々の根源じゃね?
と。
・今の僕の所感(妄想)
要するに、だ。
究極へ至る旅路は2つあったと今の僕は考えている。
1つはハーヴェイが見出した『暗黒』。
もう1つはオズバルドが辿り着いた『愛』。
そしてオーシュットが求める『肉』。
後者は『いたわり』や『慈悲』と言った方が正しいだろうか?
クラリッサのサブストーリーでは『欲』の力を集めて暗黒(第7の根源)を呼び出す儀式を行った(獣人副産物)説と、秘められた力を引き出すために儀式が行われた(獣人主産物)説の2つが提唱された。
後者の方が前者を否定する形で提唱されたので、聞き手の印象としては後者の方が強く感じる。
だがこれを行ったとテメノス編で語られるダーケストというのは、作中直接は登場しないが何となく悪者っぽい描かれ方をしている。
まあそっちがミスリードと思わなくもないが、悪者説のまま進めると『そんな奴が欲を解き放って力を得ようとするぅ?』とぶっちゃけ思う。
僕が考えた流れとしては、
ダーケストは暗黒がトト・ハハにあると知る→ついでに暗黒の力について色々な人へ吹き込む→ダーケスト暗黒の力を求める人々を引き連れトト・ハハへ→暗黒を操るために欲の力を集める、ダーケスト以外獣人化→ダーケスト暗黒入手、究極魔法を編み出す(緋月の夜)→副産物とされた獣人にも何故か第7の根源に目覚める者が現れる(オーシュットのポジション)
というもの。
ダーケストがどうなったとか、そういった事は描かれていないものの、緋月の夜という伝承がある以上ダーケストの究極に対抗する何かがあったと考えるのは割と自然ではないか?
だから僕は第7の根源が2つあった説を推す──
というのは建前です。後から考えましたはい。
では僕がこの考えに至った本当の理由はというと。
根源の合計が8つになるから
です。
…………だってこれオクトパストラベラーだし? 割と8って数字を推してくるイメージあるし? だったらオクトラ的には第8の根源まであった方がキリ良いじゃん???
というわけで、これが雑妄想と題した理由です。本当に何となく。何となくこう考えただけなんですよね……。
でも副産物として生まれた『ダーケスト良い奴説』も割と面白そう。暗黒に対抗するため自分も獣人化してたりして。
・おわりに
『旅立とう、君だけの物語へ』とトレーラーでも語っている影響か、少しぼかした(本作的に表現するなら『歯に肉が挟まった様な』)部分の多いオクトパストラベラー2。
こういった考察とか自分の中の考えとかを深掘りしてほしいからこそぼかしているところはあるも思うので、本作を愛する僕としては雑でもこういった考察(妄想)を書いてみたいと思った。
とはいえ、数時間前に考えた事を急ピッチで肉付けしただけの雑記事なので読みにくい部分、アウトプットできていない部分は多々あると思う。
もし数ある旅人達の中でこんなところまで足を運んでくれた者がいるのなら、是非あなたの考えを聞かせてほしい。第7の根源の話でなくとも。
語り合おうじゃないか、かつてのオズバルドとハーヴェイの様に。
【キャスティ編】オクトラ2のメインストーリーをクリアしたので今更ながら語っていく②
どうも。
今回はキャスティ編及びキャスティ自身についての感想とかその辺を。
一人でも多くに救いの手を
・キャスティのストーリー
記憶喪失のキャスティの物語は、海に浮かぶ小舟の上から始まる。
自分の名と、薬師である事だけが分かる荷物だけを持っていたキャスティは偶然近くを航海していた商船に助けられる。
そして港町カナルブラインに降り、自分の事を知る人間を探していると、自身が『エイル薬師団』という集団に所属していた事が分かる。
その名に違い『街を一つ滅ぼした』などと黒い噂が流れているエイル薬師団。だがキャスティは底抜けの善意から街に蔓延る感染症の根本を断ち、その噂を多少ではあるが拭い取る。
そして感染症の治療を手伝ってくれた旅の薬師、マレーヤにエイル薬師団について『聞き出す』を行うと──
こんなんなります。
怖過ぎるだろ……。
なんとマレーヤは、かつてキャスティと同じエイル薬師団に所属していた仲間で、しかも(詳細は分からないが)命の危機を救ってくれた恩人であった。
重要な情報を持ちながらも多くを語ろうとしないマレーヤ。キャスティは自身の記憶を取り戻すため、数少ない手がかりから2つの街に足を運んだ事を知る。
そうして薬師キャスティの、自身を記憶を求める旅が始まる。
一章の情報量が情報量なだけに、ちょっと紹介が長くなった。特にスクリーンショットでも紹介した過去を聞き出すシーンの衝撃は忘れられない。前作アーフェン4章を知っていると「あーこれ好きなやつ」と油断するから尚更だと思う。
キャスティの物語は2章で分岐するタイプ。砂漠の『サイの街』では小競り合いを起こす兵士達の治療院を手伝いつつ、持ち前の『おふくろ力』で争いすら終わらせてしまう。
キャスティ・フローレンツ。29歳、薬師兼人類の母。
そんなサイの街で思い出したのは、自分がエイル薬師団の団長であった事、謎の雨が降る村の事、そしてその雨を降らせたと思しき、自己陶酔する謎の男の事。
『自己陶酔する男』という表現はゲーム中にあります。草。
砂漠とは対となる雪の街ウィンターブルーム。そこではキャスティの事を誰もが知っており、彼女を見るや温かくキャスティを出迎える。
寒い街に暮らす温かな人々に導かれ、領主の元へ訪れるキャスティ。
そこには僅かな余命を過去のキャスティが処方した薬で何とか延ばす女性領主ローサと、もうすぐ12歳になる幼い少女メリアがいた。
ローサが苦しい時間を延ばして生きながらえているのは、12歳になると領主の継承権が生まれ、メリアを領主とする事ができるから。
親戚であり次代領主の候補であるグレッグは、民を顧みない上に怠け者な凡骨。しかし領主になる意欲だけはあるという厄介者。
適切な投薬と壮絶な意志力で生き続けるローサに痺れを切らしたグレッグは、幼いメリアを標的に悪事の計画を練るが──。
と、書き過ぎたのでここまで。
ウィンターブルーム編は本当に心温まる親子の物語で、本編に直接関係あるのは『元々この街に住んでいた薬師の青年』という情報のみであるが、ローサの想いやメリアの健気さには目頭を熱くさせられた。是非ともプレイしてその目で確認してほしい。
ほらバッさんもこう言ってるし。
この2つの街で得た情報を併せ『ヒールリークスという村で謎の雨が降り、それは人為的な物であった』事を思い出す。3章ではそのヒールリークスを目指す事になるのだが……。
そのヒールリークスという土地はもう既になく、マップに『人なき村』と書かれた場所こそがその跡地であった。
その名の通り壊れた家屋と牧場と思しき場所があるだけの土地になったヒールリークスの地。
聖人おじさんと火事場泥棒、あと酒場の人はいるけど
そこで待っていたマレーヤから、エイル薬師団とヒールリークスの真実を知る。
ヒールリークスは、狂った1人の男が滅ぼした。
その男はエイル薬師団に入ったばかりの若者で、怪我人や病人を治療する事に人一倍熱を持って邁進していた。
が、彼以外の団員が他の地方へと旅立っていた時、ある男が彼に何か囁き、彼を狂わせた。
狂った男は病苦をもたらす雨を降らし、ヒールリークスを全滅に追いやった。
そしてその雨を浴びたエイル薬師団、ひいては生き残ったキャスティを導いたマレーヤも────
というのが事の顛末。
ある程度のところまでは文字に起こしたが、この部分は実際にプレイすると酔いしれる程の『美しい読後感』に見舞われる。展開を知っていたとしても絶対に楽しめると言い切れるので、是非ご自分の目で確かめていただきたい。
ある男、というのはメインストーリーを追っていても判明しないが、ここは前作の流れを汲んでいるという事だろう。
そして記憶を取り戻したキャスティが思い出したのは、狂った男がドヤりながら言っていた『ティンバーレインで戴冠式がある』という情報を思い出す。
そこでまた毒の雨を降らせようとする男を止めるため、キャスティは立ち上がった。
最終4章は大枠で言えば予想の範疇にあったものの、随所にこちらをエモらせに来る展開や演出が多かった。
前章で登場したキャラの再登場に始まり、これまで見せてくれたキャスティの献身の粋や、ラスボス撃破後の『別れ』のシーンは感動モノ。
ネタバレ控えめな当ブログだが、ラスボス撃破後のワンシーンのスクショを一枚だけ。
すやすやキャスティ可愛すぎだろう!!!
・キャスティというキャラクターについて
薬師として献身的で優しい心を持ちながらも『患者であれば貴方の敵でも治す』という意志の強さを持つキャスティ。この辺りは前作の薬師アーフェンの系譜か。
彼女を語る上で欠かせないのが、その母性だろう。
オーシュットに情操教育を施したり、
ヒカリの包帯を巻き直してあげたり、
ソローネに『キャスティが本当のお母さんだったら良かった』と言われたりする。
まあソローネとはすれ違いコントもするけど
また、オーシュットからは割と躊躇なく「おふくろ」と呼ばれている。
29歳未婚女性にその呼び方はちょっと……。
アグネアに至っては、誤ってではあるが「お母さん!」と元気良く呼んでいる。
29歳未婚女性に(以下略)
またかなり美人らしく、非プレイアブルの男性キャラに惚れられる描写も。
ドット絵だからよく分からなかったが
僕は学生時代に「看護師は無条件でモテる」という言説を聞き、身内に看護師のいる知り合いに訊ねたところ実際にモテるのだとか。やはりそういう部分の言説を反映しているのだろうか。
あとこれはクリア前の話になるが、記憶喪失の女性っていうのもミステリアスさという魅力の一助になっているのかも。
そんな美人で献身的で母性豊かな薬師キャスティ。前作でも薬師キャラの持つ『調合』は環境さえ整えばインチキめいた強さを発揮するので、主人公に選んでみてはどうだろうか。
あと美人のママが欲しいおっきな子供達
© 2023 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
【オズバルド編】オクトラ2のメインストーリーをクリアしたので今更ながら語っていく
お久しぶりです。
実は少しずつオクトラ2の記事を書いていこうと思ったんですが、あまりにも面白過ぎて各キャラのストーリーをクリアするまでブログを放置すると言う事態に陥りました。えへへ。
さて、さっそく今回はオズバルドのストーリーの感想などをぽつぽつ書いていこうと思います。勿論記事はOCTOPATH順に書いていくつもりです。
OとTどっちが先か分からんけど
やっぱカッコいい…。
・オズバルドの物語
学者オズバルドのストーリーは監獄から始まる。
殺人の冤罪をかけられた彼は、5年かけて看守達の行動を把握。脱獄に必要な要素を割り出して、監獄から脱出して自分に冤罪をかけた、何より妻子を焼き殺した仇敵ハーヴェイへの復讐を誓う。
というのが物語の始まり。早速の褒めポイントはオズバルドの学者感の強さ。
綿密に観察を重ね、思考によって自分に必要な要素を求め、解が出たなら『あとは行動あるのみだ』と躊躇なく突き進む姿。まさに研究者肌という感じ。
彼のストーリーで語らなければならないのは、仇敵ハーヴェイ……ではなく囚人仲間であるエメラルドの存在。
彼の自己犠牲によりオズバルドは自由の身となり、復讐の旅への一歩を踏み出せる事となる。
個人的にはこの件を見た時に『自分の命を軽んじ過ぎていないか』と感謝と共に違和感を抱いていたが、8人の旅の途中で寄ることになるある街で、彼の来歴を知る事になりその違和感も消え去った。素晴らしい脇役だと思う。
意味深な描写はあったものの、過酷な監獄にブチ込まれる程の男が何故……? ってなっちゃった。
故郷に帰ると、事件当時に何やら怪しい動きがあった事を元助手であるクラリッサから教えられる。
とまあ3章は前振り回。だけどクライマックスへの大事な布石が置かれており、クラリッサと旦那(故人)の話はシリアスなストーリーの中で少しばかりの和みポイント。
旦那さんが亡くなってさえいなければなあ……。
今振り返れば、この3章はかなり重要だった様に思う。オクトラ2は前作の流れを汲んでかなり王道なストーリー展開ではあるんだけど、その分手堅く強度の高い物語。その布石というのはある種『柱』的な役割なのかも知れない。
4章にて遂に宿敵ハーヴェイと対峙。
ちなみに前作よりストーリーの厚みが増してオズバルドの物語は5章構成。
ハーヴェイの足跡を追っていると、気味の悪い魔物と遭遇。かつて研究者仲間であったハーヴェイの専門である『魔物の血』を掛け合わせたキメラだそうな。
そのキメラの中で唯一暴れ出さなかった一体が、何やら人の様なフォルムをしている。はじめ僕はこれを『子供』と誤認して深読みしてしまったのだが……今見るとアッチですね……やっぱりハーヴェイは絶許系の悪役。
そして隠された研究室の奥にて、ハーヴェイは自らの行いを嬉々としてオズバルドに語る。
その内容はここで語る事をしないが、本当にハーヴェイは倫理観に欠けた屑でオマケに器の小さい悪党だし、だからこその5章の展開だなと納得できる。
4章ラストにてオズバルドは僕の『天地身命に誓ってハーヴェイはブッ飛ばす』という思いに反して安堵を覚える。
ぶっちゃけ大半のプレイヤーは僕と同じ感情を抱いてくれると思うんですけど(クソデカ自我)、この乖離は『だからこそ』感がある。オズバルドは第7の根源に相応しい男です。
*第7の根源:学者時代にオズバルドが研究していたもの。ハーヴェイも別方向からこれを研究しており、オズバルドは解に迫る方程式を捕まる前に編み出していた。
そして最終の5章。
究極を編み出したと謳うハーヴェイとの決戦に辿り着いたオズバルドは、復讐でない目的のために究極を得て圧倒的な力を誇るハーヴェイに立ち向かう。
その時に目覚めた彼の『根源』と方程式が組み合わさり、オズバルドはハーヴェイとまた違った力を手にする。
これはほんっっっっっっとに王道的な展開なんだけど、妻子持ちのオジサンキャラがやるっていうのが溜まらない。これまでに挟まれていた回想からオズバルドが妻子を大切に想っていた事に一切の疑いはない。そのために人生の全てを擲ってまで復讐を誓う程なのだから、二人がオズバルドにとってどれ程大きな存在なのかは言うまでもない。
この積み重ねが『根源』の説得力に繋がっていてとてもよろしい。
あとラスボス戦のBGMも大変よろしい。
これは全主人公共通なのだが、前作の『目的は達成したけど旅は続けるよ』的な終わり方ではなく、今作は『目的は達したけどまだ謎は残ってるから旅するよ』的な終わり方になっている。殆どのストーリーで旅を続ける動機が描かれているので、クリア後に定住しない事に説得力のある仕上がりとなっている。
・オズバルドというキャラクターそのものについて
先も触れたが、オズバルドはかなり偏屈な学者気質の男性。前作学者ポジであるサイラスの様な教師然とした人柄ではなく、自らの研究に没頭するタイプ。
ただ妻のリタと娘のエレナには深い愛情を抱いており、根本から他人を嫌っているわけではないらしい。それは彼のストーリーを飛び越えて冒険の随所で確認できる。
アグネアとの会話では、妻が好きな物の知識を頭に入れている事が分かり、
オーシュットには、髪を枕に昼寝させてくれと言われても突っぱねず、
また同じくオーシュットとの会話では妻との思い出を話し、
また決戦前のテメノスに、強く激励する姿が見られる。
そして極めつけに、主人公キャラクリア後に解放される酒場チャットでは『好きなもの食べたい』の一心で食べ物を無から生み出そうとする姿も披露。
こうして見ると、偏屈さがありながらも『話せるヤツ』である事が窺える。あざとい。
ちなみに僕は親しみを込めて『バッさん』と呼んでます。
根本的に考えれば、複数人の方が安全そうとはいえ、復讐するための旅路には重荷になりかねない同行者を連れるほどなのだから、話せるヤツなのは目に見えてたかも知れない。
また紹介は省くが、回を跨ぐパーティチャットにて『議論は好きだが無駄な長話は嫌いだ』と主張していたものの、仲間達との旅を経て考えが軟化。そういったものも悪くはないと語る。齢38の博学な人間だが、それでもまだまだ成長や変化はする柔軟性も兼ね備えたキャラクター。
ごめん髪長いからかもっと歳いってると思ってた。
まとめると
・真面目で典型的な研究者
・偏屈だが話せるヤツではある
・年長者らしく落ち着いてアドバイスをする事もある
・旅を経て態度が軟化。仲間達のお陰か肩の荷が降りたからか余裕が生まれる
・たまにあざとい
と、かなりキャラクターとして魅力となり得る要素を備えた主人公の1人。ほんとすき。
・まとめ
今作の8人どころか、前作も含めて最年長(オルベリクがかなり近いけど)のトラベラー、オズバルド。
目的を持って旅立つ者達というコンセプト上、これくらいが上限かなという年齢、かつ復讐という暗い目的を持つ彼は、若い他の冒険者達に意外と溶け込みしっかりと個性を発揮している。
ストーリーも意外性はそこまでないものの、最終決戦時には『なるほどね』とあまりイメージはしていなかったが得心のいく解を見出した。
そんなこんなで僕のイチオシキャラの1人(多分全員イチオシって言う)であるオズバルド。もしこんなところまで足を運んでくれた未プレイの読者(たびびと)がいるのなら、彼を主人公に選んでプレイしてみるのはどうだろうか。
最後に、僕のふと思った事を言ってくれたソローネの台詞を貼りつけて記事を締め括る事にしたい。
© 2023 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
オクトラ2の体験版遊んだよって話
今月発売されるオクトパストラベラー2、それを3時間だけ遊べる体験版が配信された。
ドラクエ11を遊んでいた僕だが、無事裏ボスを倒せたので喜び勇んで体験版を始めた。
初回のプレイで、僕は学者オズバルドを選択。彼の2章までを遊び、続いてソローネの1章をクリア。
オズバルドのスタート地点に近いのは神官の人だったんだけど、迷った末にソローネと出会った。
ストーリーに触れない範囲での大雑把な感想として、前作と比較して戦闘中会話がビックリするほど増えたなっていうのがある。
ソローネ1章のボスはまああって然るべきとして、オズバルド1章のボスに関してはプレイヤー目線で因縁のある相手ではない。そんな相手にも声つきで戦闘中会話がつく辺り、相当に前作の演出面が好評だったのだろう。
会話以外にもタバコに火をつける、唾を吐き捨てるといった「ここ以外で使うん?」みたいなモーションが用意されていたりと、演出面を強化しにいってるのをひしひしと感じる。
ゲーム性も調整がかなり入ってそうな感じ。魔法の使い勝手はだいぶ変わってそう。大魔法は『戦闘中に魔法を強化する事によって使える様になる』感じかな?
でも面白いのは、体験版なのに8人の主人公達の初期ジョブ以外のジョブが手に入った事。使い勝手の方は試していないが、本作はジョブの数もかなり強化されているのやも知れない。もう1回くらいはNew Gameで始めて色々見て回りたい。
前作からの変化といえば、やはり底力のシステム。被ダメや敵をブレイクする事によって溜まるゲージを消費して、キャラ固有の能力を発揮する新システム。
ソローネの底力は2回行動。前作ではアビリティをつける事によりランダムで追加行動ができたが、今回はある程度任意のタイミングで確実に行動回数を増やせる。ブレイク時に大火力を一気に叩き込むも良し、ブレイクに持っていくも良し。盗賊ならデバフを連続でかけにいくという選択肢もアリかな?
何といってもオズバルドの魔法収束化は前作プレイヤー的には衝撃的ではないだろうか。前作の学者の奥義『碩学王アレファンの知識』の効果を、1ターンのみとはいえ単身やってのける。これはオズバルドの研究成果らしく、彼の優秀さが窺えるストーリー的要素もあると思う。
底力は発動にターンを要しないので、そこも奥義との差別点になるか。単発になった代わりに大分フットワークが軽くなった気がする。
BGMも前作同様良曲に恵まれている印象。体験版配信前より公開されていたボス戦曲はもとより、僕が気に入ったのは『情報屋エメラルド』と初めて話す時の曲と、デアモンテの屋敷の曲。どちらも洒落っ気があって非常に味わいがある。後者は邸宅系のダンジョンで毎回流れてくれるだろうか。ありがとう西木康智先生。
ストーリーは体験版故に序盤しかできないけど、ちょっとだけ触れようかな。
・オズバルド
ビジュアル最強。
辛い過去を持った男性キャラは前作にもいたけど、暗い目標を持って動く男性は前作にはいなかったかも。オルベリクはエアハルトを殺そうってわけじゃなかったし、テリオンは忘れようとしていた節すらあるんじゃないかなって。
別にそれが悪いってわけじゃない、寧ろ暗い話は好物だからどんと来い。復讐の相手も『自分の家族を殺した上に自分に罪を着せた男』だからね。
ただ、その復讐の相手ハーヴェイの目的が分からないところ。体験版で分かった『オズバルドを捻じ曲がったライバル視していたから』殺したってわけじゃないと思うんだけど……。まあもしそうならそうでブッ飛ばし甲斐があるけど。
とまあメインの感想は置いといて、細かいとこに言及すると、
藁ぁ!!?!?!?!?
ですね。
いやね、オズバルドの2章(ていうかやっぱオズバルドは2章まで仲間と合流しないのかな)で『水に浮かぶ藁を凍らせて船にする』っていうシーンがあったんですよ。
いやいやいやそんな無茶苦茶な……。と思ってちょっと検索したんだけど、寒冷地では藁じゃなく木の枝や丸太に水をかけて凍らせ、即席の橋にして人や馬を走らせていたのだとか。世界には驚きが満ちている……。
いやまあ船にするのは無理があるかも知れないけど、そこはオズバルドの氷結魔法が凄いって事で。
・ソローネ
俺には分かる!! こいつぁプリムロゼの匂いだぜ!!!!
って感じ。1章のあの品のない感じは前作のプリムロゼポジションだ。ボス戦の切なさも、戦闘前のソローネの切実でか弱い声色も同様の匂いだ!!
このポジションがいる故に、戦闘中会話が増えたのは凄く楽しみな要素になる。前作オフィーリア4章みたいなアツいのにも期待できるし、ソローネの心境の吐露はプレイヤーの胸を突いてくれそう。
下品な小物スキラッチがよく喋っていたせいか、1章は妙な皮肉? 例え? が多かった印象。ネズミチーズ連呼スキラッチくんクズ過ぎて嫌いじゃないよ。
でもピルロの「命はタバコだよ」的な台詞は好き。あの環境じゃそうなるわなって。
ソローネの1章で目立ったのはピルロのタバコに火をつけるモーションや、スキラッチの唾を吐き捨てるモーションの様な固有の動き。まあその2人は『主人公の初期仲間キャラ』なので……アレなんだけど、他のキャラに固有のモーションが増えるとなると製品版がより楽しみになる。
オマケ。バトルエクステンドを楽しむ用に撮影したけど、ソローネの演技が素晴らしいところが撮れたやつ。
依静月恭介@活動用 on Twitter: "「その血なまぐさいナイフを下ろしてッ‼︎」のあとの呼吸音が好き過ぎる https://t.co/chHzG2fCMS" / Twitter
現状そんな感じ。まだフィールドコマンドとか探索とかはしてないんだけど、体験版のうちにあんまり舐っちゃうといざ製品版! って時にモチベ落ちないか心配。
だからもう1回New Gameして2キャラ程度ストーリーを覗いてみよっかなって思う。それであとは製品版まで待ちかなって。購入確定だし。
暗いストーリー引いちゃったから明るめのキャラに行きたいですね。
僕はHD-2Dを説明する時に『とびだす絵本』という表現を使っていたんだけど、演出面の強化により『舞台』『演劇』感の強くなったオクトパストラベラー2。体験版は絶賛配信中なので是非遊んで、できれば定価で買ってHD-2Dの需要を高めていただけるとありがたい。
【ゲーム感想・評価】オクトパストラベラー2が楽しみ過ぎるので1を回想する②【追想編】
今回もオクトパストラベラーの感想を思い出しながら。
ひとまず簡易評価をもう一度。
今回はキャラクター。サブキャラは文字数すごい事になりそうだからなあ、取り敢えず主人公だけのつもりで。
画像下の色つきは、ストーリー中でなくバトルやフィールドでの印象的なセリフです。
平気でネタバレするので注意!!
・オフィーリア:神官(CV:茅野愛衣)
聖火の導きのあらんことを
聖女。聖火教会の敬虔な信徒で、神官らしく優しく清らかな心を持ち、ストーリー中でも迷える人を優しく導く姿が見られる。聖女。
ただ優しいだけでなく揺るぎない精神を持っており、許せない相手と対峙した時には「あなたには絶対に負けません!!」と強く糾弾する。聖女。
特に家族同然の存在であるリアナには自分を救ってくれた恩を感じており、たとえ裏切られても彼女を助けるのだと『導く』。聖女。
大人な女性というわけではなく、むしろ酒場パーティチャットでは年下っぽい雰囲気を醸している……気がする。可愛い聖女。
4章ラストバトルでは戦闘中に敵と言葉を交わすシーンがあるが、しっかりとボイスつきで声優の熱演とBGMも手伝って作中でもトップクラスにアツい戦闘シーン。熱血聖女。
フィールドコマンドは神官らしく『導く』。モブを神官パワーで導いて一緒に歩く。導いたモブはバトルで呼べば一緒に戦ってくれる。オタサーの聖女。
メンタルが強くて優しい女性キャラが好きなので、個人的には女性主人公の中でも特に推したい子です。
散々聖女聖女言ってるけど、多分聖女ではない。
サイラス:学者(CV:梅原裕一郎)
雷鳴よ、轟き響け!!
イケメン、頭良い、性格良いの三拍子揃ったハイスペック学者。しかも天然で口説き文句同然の言葉を吐くナチュラル女誑し。でも性格が良いので許せてしまう。
普段の口調は非常に柔らかく穏やかな人柄が見て取れるが、戦闘中に攻撃魔法を撃つ時の声がとても勇ましくてカッコいい。
態度こそ柔らかいが芯は通っており、敵の思想を毅然として否定したり、酒場での語らいでは「オルベリクくんが僕の魔法に巻き込まれる位置にいるのが悪いよ(意訳)」と言ったりする。あと歌が苦手らしい。しかも自分では分かってない。お前茶目っ気出すなや完璧じゃねーか!!
フィールドコマンドは『調べる』。成功すればモブから様々な情報を聞き出せる。こちらは邪道コマンド。確実ではないが、成功さえすればアーフェンでは高レベルにならなければ聞き出せない事も聞ける。教師なのに邪道とはこれ一体……。
学者としての矜持を持っており、イケメンという言葉が似合う顔でありながら精神性は男前と表現するに相応しい、何かにつけてカッコいい男。
・トレサ:商人(CV:青木瑠璃子)
お金に糸目はつけないわ!!
主人公勢最年少の18歳の少女。にしたって知識方面はなさすぎな気もするが……。
とにかく一生懸命で可愛い女の子。一人前の証人になるため全力で頑張り、分からない事は素直に訊ねる。
審美眼……というべきか、何かと「商機」を見出す事に優れており、金山で採れるクズ石と思われていた物を磨いて商品的価値を見出したり、誰かの大切な想いを感じさせる物を価値ありと判断したりする。素晴らしい。
周りを圧倒するほどに商魂逞しく、酒場パーティチャットでは年上揃いのメンバーを呆れさせる事も。
フィールドコマンドは『買い取り』。モブの持ち物を良い感じの価格で買い取る。こちらは正道コマンドで、邪道コマンドでは確率が低すぎる物やそもそも盗めない物を買い取れる。強力な武具は大体盗めないので、メインストーリークリア後は彼女の商人としての活躍が見られる。
この子はフィールドやバトル時のセリフに印象的な物が多い。
「良い風吹いてるぅ?」「まいど♪」「当たらないよっ」「えへっ」
辺りが代表的か。とても可愛い。
・オルベリク:剣士(CV:小西克幸)
──覚悟は良いか!
亡国の騎士。国を失った彼は、身を寄せた村でバーグと名乗るところからスタートする哀しき0章裏切られの民。
創作物の不文律として『ロスのある男はカッコいい』というものがあると考えているが、彼はまさにそれ。カッコいいんですよ。
国を失って自分が剣を持つ意味にも迷っているものの、目の前で誰かが危険に晒されていれば戦う。頼れるナイスガイ。
生真面目でやや脳筋なところがあり、北風と太陽的な問答では「戦いになれば嫌でもマントを脱ぐから試合を申し込む」などと言ったり、仲間に「突っ込むだけの戦いをやめろ」と諌められたら「それ以外知らない」などと発言する。生真面目要素? 基礎鍛錬を大事にするところですよ。
フィールドコマンドは『試合』。文字通りモブに試合を仕掛けることになり、一対一のバトルを始められる。
……え? 試合を仕掛けるメリット? クエストで使ったり、建物のドア前にいるモブをボコって退けたりするよ!
こんなんでも正道コマンド。負けても街の評判は落ちない。正々堂々って大事。なあハンイット?
そんなこんなで真面目で不器用で、しかし頼り甲斐があり哀愁漂う良い男なオルベリク。そんな彼のアツい部分は、是非第3章を見て知って欲しい。
・プリムロゼ:踊り子(CV:桑島法子)
踊ろうかしら?
没落貴族な踊り子。物語開始前から不幸なのに、1章で数少ない友人が……な薄幸の美女。
表面上は飄々としており、男を手玉に取る踊り子然とした女性。パーティ内では猫っぽいと話題。
仲間内での会話に於いてもその態度は崩れないが、踊り子として過ごしている内にそういう性格になったのか、元々そういうきらいがあったのか、はたまた態度を崩さないだけなのかは不明。僕は崩さないだけかなあと思う。
だが内心には非常に強い復讐心と家訓『己を信じ、貫け』に従ったブレない意志を持っている。
……が、誰もいない時には年相応に笑う姿が見られる。うーん、猫!
ほんの一瞬だけだから僕の勘違いかも知れないけどね。
そんなプリムロゼェ……のフィールドコマンドは『誘惑』。モブを誘惑して連れ歩く。オフィーリア同様連れ歩いたモブはバトルコマンドで加勢させる事が可能。正反対の職種の2人が同じ様な能力なの好き。
オフィーリアが正道コマンドなのでこちらは勿論邪道コマンド。だがその分リセマラすれば序盤から強力な助っ人を連れ歩ける。一部界隈では『期待を裏切らない男』として有名な『裏切られた男』とか。
僕は『盗む』リセマラをしつこくやっていたのでこっちはあまり粘らなかった。NPCの行動は指示できないし。めいれいさせろ。
そんなこんなで不幸に見舞われながらも踊り子として学んだ事を活かして強かに生きるプリムロゼ。僕は彼女に対して「生きて……」ってずっと言い続けてたけど、プレイしていただければその気持ちが強く理解できると思う。
・アーフェン:薬師(CV:関智一)
お代? いらねーよ。
陽気漢気薬師。遠慮とか加減とかせずに言えばレオリオ系の男。
ガサツそうな印象を受けるが熱心に勉強して薬師となった夢に対しては真面目な男。まあ「調合が甘い」とか言われてた気もしないでもないけど、そこは伸び代。まだ駆け出しだからね。
コミュニケーション能力が高く、無口な盗賊やら生真面目な剣士を擁するパーティ内では喋る機会が多い気がする。
ストーリー中では、母子家庭の子供や殺しがバレて命からがら逃げ出した男といったお金を持たない人を助ける機会が多いため、色つきセリフの様に代金を貰おうとしないスタンスをよく見せる。仕事なんだから貰えよ……とも思うがどんな人でも助けるという彼の心意気がカッコいい。
……でも戦闘中でも言うので、本格的にちゃんと仕事として考えた方が良いと思う。
また酒に強く、男連中ではアーフェンとオルベリクの二強。サイラス先生も強者感匂わせてたけど。寝顔は可愛いらしい(プリムロゼ談)。
フィールドコマンドは『聞き出す』。サイラスの『調べる』と対をなす正道コマンド。自前のコミュ力を使って相手と仲良くなり、お得な情報を聞き出すといった手法だろうか。こういうシステムがキャラの解釈と一致するの最高に好き。
こんな感じでコミュ力、優しさ、明るさというモテ要素を兼ね備えたアーフェン。ストーリーではほっこりと曇りの波が程良く彼の優しさも存分に楽しめるので、好きになる事間違い無いと思う。
・テリオン:盗賊(CV:松岡禎丞)
守りがガラ空きだ
口数少ない0章裏切られ盗賊。フィーリングだけど身長低そうなイメージある。
クールで優秀な盗賊ではあるが、富豪の家に忍び込むために老商人を演じたり、数々の弦担ぎ的なルーティンを行ったりする。慎重故の優秀さだろうか。
昔はダリウスを心から信頼していたり、今のパーティとも酒を飲んでいたりと仲間という存在を悪しからず想っている模様。一緒に酒飲んで寝落ちする間柄とか、もう親友じゃん。
ただ、オルベリクとサイラスが口論になりかけた時、ちょっとソワっとしていたり性悪な部分はありそう。嫌いじゃないぜ、そういうの。
彼の欠点(???)は、バトル中の声がやたら小さい事。腹から声出せや!!
テリオンのフィールドコマンドはまんま『盗む』。モブの持つ回復アイテムや能力アップアイテム、クエストに必要な物を盗む事が可能。確率ではあるけど。
モブの持ち物の中にはかなり高価な武器があったりする。無論レベルが低いうちはごく低確率だし盗めない物もあるが、盗める物は街との仲が悪くなるまで盗める様にリセマラすれば手に入れられる。僕は15%くらいまではリセマラしてた。
無口ながらも絆され易く、フィールド探索でも便利な男テリオン。ゲームを進めれば進むほど味が出る、スルメ系のキャラクターです。
・ハンイット:狩人(CV:甲斐田裕子)
相手にも敬意を払おう
無骨で真面目でちょっと世間知らずな狩人。実は素だと最も物攻が高いゴリラ。僕は声があまりにも良くて初期主人公に選んだ。
黒き森の里からあまり外に出ないらしく、コミュニケーション能力に若干欠ける部分があり言葉遣いがややぶっきらぼう。
狩りの友である雪豹リンデといつも一緒であり、動物の感情の機微にも聡い様子。
狩人という生き方に誇りを持っており、濫りに生き物を狩るのではなく、自身も生態系の一部として黒き森で狩りを行っている。その辺りは1章で語られ、本筋には関係ないもののハンイットというキャラクターの素晴らしさを教えてくれる。
フィールドコマンドはモブをリンデに襲わせる『けしかける』。人間も狩猟対象なん????
無論邪道コマンドであり、負けると街との仲が険悪になりかねない。バトルのコマンドも制限がかかっており、正直このコマンドを使う意味合いはかなり薄い。ストーリーの進行上使うだけに留まりそう。
不器用ながらも信念を持っており、やや蛮族めいたきらいはあるが師匠想いなハンイット。そもそもの狩人というジョブが高性能なので、ガンガン使っていこうぜ!! ねんちゃく糸も良いぞ!!
キャラとBGMと演出については一気に紹介したかったけど、結構字数来てるのでこれにて切り上げ。まさか3回にも渡るとはな……。
【ゲーム感想・評価】オクトパストラベラー2が楽しみ過ぎるので1を回想する①【追想編】
オクトパストラベラーという神ゲーをご存知だろうか。
古式めかしいゲームジャンルであるコマンドRPG。このジャンルのゲームを喜んで遊ぶ人間の方は少なくなってきている様に思えるが、僕は未だに大好きです。
そんな僕が自信を持って推すのが本作。
発売元:スクウェア・エニックス
開発元:アクワイア、スクウェア・エニックス
記事のタイトルに①と入れた通り、今回は二回に分けて語ろうと思う。どこを語るかは書きながら考える。
・ゲーム性・UI
じっくりコマンドを選択できるタイプのターン制RPG。まずは長所短所の羅列。
①戦闘の波を助長する『ブースト』『ブレイク』システム
②キャラクターの個性と戦略性を兼ね備えたメイン&バトルジョブ
③キャラクターごとに用意された固有アクション
④歩き狩りで充分ストーリーをクリアできる程度の経験値量
⑤敵味方の行動順が次ターンまで分かる
ここから短所
⑥バフデバフが強すぎる
⑦固有アクションの格差
⑧パーティチャットの不便さ
①戦闘の波を助長する『ブースト』『ブレイク』システム
仕様の方は興味があれば調べていただくとして、このブーストシステムが面白い。昔やったブレイブリーデフォルトみたいな『ターンの前借り』に似て非なる。そういやBDFFもスクエニだっけ?
ブレイクした相手にブーストで大ダメージを狙うのも良し、そのブレイクに持っていくまでの連撃を入れても良し、持続の長いバフデバフを入れても良し。シンプルながらも奥が深いって良くある言葉だけど、正にそれ。
相手の弱点とブレイクゲージ量を考慮し、適切なブースト量でバフデバフとブレイクを仕掛け、時に搦手を入れつつブレイクしたら一気呵成に攻める。戦闘時の流れをより分かり易くしたシステムとも取れるか。
知らないフィールドに来て初めての雑魚敵は取り敢えず色んな攻撃を入れて弱点を探り出し、二回目以降はその弱点でさっさとブレイクしてトドメ。この流れが取れる点でも優秀。ランダムエンカウントってそんなに好きじゃないんだけど、このシステムのおかげでまあまあ快適だったかな。
②キャラクター性と戦略性を兼ね備えたメイン&バトルジョブシステム
①が戦闘中の特徴なら、こちらは戦闘前に役割を明確にするシステム。古今東西様々なゲームに取り入れられたこのシステム。それ等と共通するのは、ジョブによって装備できる武器が違う点、ジョブ経験値を利用して技を解放できる点、そして入手したアビリティ(技ではない)はバトルジョブを変えても使用可能な点。
他作と違うのは、まあバトルジョブそのものの存在だろう。
探索して資格を手に入れる必要こそあるが、他のキャラクターのメインジョブをバトルジョブに設定する事ができる。これによって装備可能な武器が増えたり、戦闘中に使える技が増えたりする。ジョブ経験値を利用して技を覚える点もメインジョブの運用と変わらない。戦闘中に限って言えば単純に一キャラにつき2つのジョブを運用できるシステム。
これがまあ面白い。単純にアタッカー×アタッカーにして扱える武器種を増やしたり、バッファー×デバッファーにして状況作りのエキスパートにしたり、ヒーラーキャラに斧で殴らせる事も可能。
主人公が八人なのでジョブも8つ……と思いきや、隠しジョブも4つある。その中で単純な強いジョブはアタッカーの武芸家と魔術師だけな気もするが。
僕が個人的に好む『できる事が増える』を詰め込んだ要素なので、ジョブシステムやそれに準ずるシステムはRPGにどんどん盛り込んで欲しい。
③キャラごとに用意された固有アクション
これはバトルに関係あったりなかったりする仕様で、各キャラのメインジョブに見合った特殊な技能がある。ポケモンでいうところの特性みたいなものか?
一通り羅列すると、
オフィーリア(神官)→フィールドで『導く』を行ったモブキャラを参戦させる『加勢』
サイラス(学者)→エンカウントした敵の弱点を一つオープンする『予習』
トレサ(商人)→エンカウントのあるマップを歩くとマップ切り替え時に歩数や危険度に応じたお金を貰える『歩いてリーフ』
オルベリク(剣士)→防御コマンドをブーストで強化できる様になる『防御ブースト』(まんまやな)
プリムロゼ(踊り子)→フィールドで『誘惑』したモブキャラを参戦させる『加勢』(オフィーリアと同じ)
アーフェン(薬師)→戦闘中に2つの素材を掛け合わせ、さまざまな効果のある薬品を作る『調合』
テリオン(盗賊)→フィールドに置かれた普通では開けられない宝箱を開ける『解錠』
ハンイット(狩人)→エンカウントした魔物を捕らえ、一定回数まで戦闘時に技を使わせる『捕獲』
といった塩梅。どのキャラも職業や性格に合ったアクションを有しており、これはバトルジョブに左右されない。武器の扱いは学べたものの、その道のプロの行いは真似できないといったところか。
戦闘のバリエーションの一助にもなっているだけでなく、キャラクター性を底上げする材料にもなっている良システムではあるのだが……。
④歩き狩りで充分ストーリーをクリアできる程度の経験値量
ありがてぇ……。
8人のストーリーをクリアするために色々巡っていると、否応なく雑魚敵とエンカウントする事になる。が、まあそれを狩っていれば次のストーリーを進めるのに充分なレベルになれる。
1章ごとに適正レベルが跳ね上がって少しビビりはするものの、辿り着けば意外と近いレベルになっていた、というのはザラにある。
僕はストーリー途中のレベル上げ行為が好きでないので、この難易度なのは凄く助かりました。
⑤敵味方の行動順が次ターンまで分かる
これ半分UIの話だからここまで引っ張った。
ブレイクはブレイクをしたターンとその次のターン敵の行動が止まる。なので敵より早く動く味方でブレイクし、被ダメを少しでも抑えるプレイングができて気持ちが良い。
ここからが短所。
⑥バフデバフが強すぎる
まあ強くて困る事はないんですけどね。
恐らくキャラレベルとかに関係なく固定倍率のバフデバフ。序盤から終盤、どころか裏ボスまで必須級の強さを誇る。
ていうか隠しジョブのアビリティでバフの方は常時かかる様になる。まあアビリティ枠を使う事になってはしまうんだけど、ターン制限すらないのはやってる。
⑦固有アクションの格差
これの存在自体はかなり好きなんだけど、格差は看過できない。
『加勢』は良い。初動に1ターン費やすものの、単純に手数が増える優れもの。何をしてくれるかは、ランダムだけどね。
『予習』も良い。サイラスを連れている時のボーナス程度で割り切れる。あれば楽になるくらいのはええやん? ってなる。
『歩いてリーフ』もまあ、戦闘と探索を真面目にやれば金は割と余りがちなので目を瞑る事とする。
『解錠』は地味なんだけど、ダンジョンにテリオンを連れて行かなかった時、開けられない宝箱を見つけるととても落ち込む。めんどい!!
『防御ブースト』はうーん……これ自体は剣士の『かばう』もあって強いとは思うんだけど、剣士は単体攻撃に長けているので、かばうをしてる暇がない。オルベリク固有の『試合』の時に使えれば役立つかな?
『捕える』は本当にどうにかして欲しかった。捕える手間があるし回数制限もある。なのに大半の効果はそんなに強くない。ハンイットはメインジョブが強いから、優秀な技を使わずに魔物技を優先させるシーンがない。レア敵はクソ強効果持ってるんだけど、レアなので捕獲率も…………。
続編では多分調整入ってる!! 嬉しい!!
『調合』はもうまごう事なきぶっ壊れ。アイテムの消費があるとはいえ、味方全体にBP配ったり、単純に回復したり。与ダメには期待できないものの、属性攻撃で敵のシールド削りもできる。
BP管理はこのゲームでめちゃくちゃ重要な要素なので、それを引く程楽にさせてくれるお陰でアーフェンが『薬師』じゃなくて『アーフェン』ってジョブになってる。まあもう1人そういうキャラはいるけどね。
とはいえ全体化のアイテムは割と集まりが悪い気がしないでもないので、湯水の様に使えるとは言えない。いやでもBP全体4配布は…。
弱体化したらしたで嫌だけど。アッパー調整頼みます!!
とまあ、調合と捕えるの性能差でクラクラしそうな感じ。あと解錠が面倒なので、パーティ変更できる場所を増やして欲しい。
⑧パーティチャットの不便さ
これほんま……。
このゲームにはパーティチャットなるものがあり、ストーリー進行中(エンディングを見た後だと一定の戦闘回数ごとに酒場で)、パーティ内に特定の仲間がいると見られる小会話。
8人はそれぞれの目的を持って旅をしているので、その背中を押したり、嗜めたりする仲間の姿が頼りになる。すんごい平和な会話もあるけど。
酒場でのパーティチャットは本当に和むものばかりで、お前ら永遠に仲良くしてろって思う。ストーリー中では一生曇っているプリムロゼが仲間と酒を飲んでいるだけで涙が出る。
……が、このパーティチャット。1つ重大な欠陥がある。
それは、指定の組み合わせがパーティにいなければ見られないという点。
このゲームには8人のプレイアブルキャラが存在し、パーティの人数は4人。そしてパーティ変更ができるのは街中の酒場のみ。
即ち、ストーリー進行中のパーティチャットは、網羅したければイベントが挟まるごとに酒場に戻って発生していないか確認する必要がある。非常に面倒。やってられませんわ!
8人の旅人達は本当に魅力的で、それぞれに強い愛着を僕は持っている。だからこそその会話を覗かせて欲しいし、見逃すと損をした気分になる。
戦闘には参加してないけどその場にはいるってていにして、パーティにいなくても見られる様にして欲しかったなあ……。
欲を言うなら声をつけて欲しい。
・ストーリー
今回はゲーム性とストーリーについて書く事に決めました。別に簡易評価の上から時計回りってわけじゃなくて、キャラとBGMと演出を一緒の記事で語りたいって理由。
ストーリーとキャラは切っても切れないのでは??????
簡易評価の点数が軒並み高い中、1つだけ低いこのストーリーの項。別に面白くないっていうか普通に面白いのだが、大きな欠点がある。
それは、裏切りが多すぎるという点だ。
ひとまずこの裏切りリストを見て欲しい。
・ストーリー中で裏切られる
オフィーリア、サイラス、プリムロゼ、アーフェン
・ストーリー開始前に裏切られている
オルベリク、テリオン
・裏切りがない
トレサ、ハンイット
プリムロゼは違う気がしないでもないが、この通り裏切られ率50%。開始前に裏切られているのも含めると、8人中6人の裏切られ率75%を叩き出す。強く生きて。
しかも裏切るキャラは大体『あっ、こいつ裏切るな』ってオーラを身体から滲み出している。抑えろ。
とまあ裏切りで人間の暗黒面を表現しまくる本作のストーリー。1つ1つを簡単に紹介して感想をちょこっと語っていこうと思う。
*平気でメチャクチャなネタバレします!
・オフィーリアのストーリー
だから、今度はわたしが助けます。あなたには負けません!!
聖火教会の神官オフィーリアは、教会の総本山フレイムグレースで勤めていた。かつては孤児で、ヨーセフ大司教神父に拾われた当初も塞ぎ込んでいたが、大司教の実子リアナに励まされ今の淑やかで強い女性に育つ。
そんなリアナが教会の儀式を担当する事になったものの、大司教が病に倒れる。リアナは気を落として儀式もままならない状態になる。
そんな折に代役を買って出たのがオフィーリア。大陸の各地を巡り、聖火を灯すオフィーリアの旅が始まる。
……とまあ、そんなこんなで旅立つオフィーリアは旅先で少年達のいざこざを解決したり、旅の支度を手伝ってくれた商人に裏切られたり、父を蘇らせたいと半分くらい闇堕ちしたリアナに裏切られたりするも、持ち前の強く清い心と神官パワーで降りかかる火の粉を払い除ける。そんなストーリー。
このストーリーで言えるのは、ただひたすらにオフィーリアという女性が尊い(この表現あまり好きじゃない)存在であると言う事。心が強い女性キャラ大好き。
あとは演出。このストーリーの4章は良演出に恵まれており、キャラと演出の事を語る時にこのストーリーの事は再び触れられるだろう。
ついでに、裏ボスの存在を仄めかすのもこのストーリーの特徴。とは言っても名前だけだった気もするけど。
・サイラスのストーリー
過去を探り、今を学び、未来へつなぐ。そのために知恵を磨くのが学者だ
アトラスダムの王立学園にて教師を務めるサイラス。知識を探究し、それを広める教師という職を天職としていた彼の悲運は『顔が良すぎた』事だろう。
あまりに顔が良すぎて、王女とサイラスが会話してるだけ(王女が質問してるだけ)で別の女生徒に嫉妬されてそれが妙ないざこざを生んだりする。
まあ、実際には学園の長に疎まれたためそれを不祥事としてでっち上げた学園側がサイラスをクビにする。アトラスダムの図書館からある書物が消えていた事を知ったサイラスは、クビにされた事を良しとして消えた書物やその秘密を探るために旅立つ。
このストーリーのウリはやはりサイラスの教師としての矜持なのだが、クリア後要素の情報があった……はず。確か4章で行く遺跡の壁とかかなり真に迫った内様だった様な。
知識は知性のある人間だけが持つべきモノ、という敵の主張に対して「そこだよ」と敵の考えを真っ向から否定し、教える者としてのあるべき姿を語るサイラスはメンタルまでイケてる真のイケメン。精神までカッコいいのかよこいつ……。
あ、裏切るのは学園長? の秘書で、どちらかと言えば裏切られるのは学園長。まあ女生徒の件も裏切りカウントしてるけど。
・トレサのストーリー
たくさんの出会いをくれたこの“旅”こそが……私の“宝物”です
リプルタイドに住まう商人見習いの少女トレサは、父の店を手伝いながら生活していた。
しかしそんなリプルタイドに海賊が現れ、少女ながらに負けん気の強いトレサは海賊を追っ払うべく睡眠薬入りのワインを差し出してカチコミを仕掛ける。
そして海賊をぶっ倒した実力を認められたトレサは、元海賊の商人レオンからとある日記帳を受け取る。その日記帳はある冒険者の記録で、記された内容に心躍らされたトレサは、商人としての見聞を広めるために旅立つ。
トレサは道中で商人に必要な口八丁を学んだり、商人レオンの過去を知って『宝物』とは何なのかを考えさせられたり、デカい競売で感動的なスピーチを披露したりする。
トレサのストーリーの全体的な特徴としては、終始明るめの雰囲気である事。本作はストーリーがかなり暗めなのだが、そんな中主人公トレサの可愛さも相まって一服の清涼剤となる。
特に4章の終わり方は素晴らしく、ストーリー終了後の爽やかさは一級品。
…………が、クリア後に真相を知ると、彼女が貰った日記帳が凄まじい代物である事が分かる。やっぱり闇深シナリオじゃねえかおい!!! 好きだ!!!!!
・オルベリクのストーリー
勝って、守らなくてはならなかった。陛下も──お前も!
故郷ホルンブルクを失った元国の騎士オルベリクは、名を捨てバーグと名乗り、辺境のコブルストンでひっそりと暮らしていた。
付近に賊が現れたという情報を聞き、冴え渡る剣の腕で颯爽と賊を討伐したオルベリクは、賊の口からかつての戦友にしてホルンブルクを裏切った騎士、エアハルトの名を聞かされる。
エアハルトが動いていると察したオルベリクは、再び立ち上がる。エアハルトを見つけるため、そして国を失った己の行く道を探し出すために。
剣術大会という名の集団バトルやリザードマン退治を行う彼のストーリーは、3章にて一旦は旅の目的を達成するという異質な特徴を持つ。
……特徴と言って良いのかは定かではないが、そのお陰で4章は他キャラのそれとはまた違った感覚で味わえる。何というかこう、敵の大ボスを倒したその後日談的な。いや実際大ボスは4章で戦うんだけど。
3章でエアハルトと対峙した時の彼の言葉は心に響く。騎士として、エアハルトの友として、国を裏切った彼すらも守るべきだったという発言は、オルベリクという男の器を表している。
ちなみにホルンブルク跡地は裏ストーリーの舞台。国が滅んだのもある者の意図らしい。
・プリムロゼのストーリー
己を信じ、貫け。
踊り子プリムロゼは、元は貴族の娘。砂漠の街サンシェイドで踊り子をしながら、父を殺した3人の『鴉の入れ墨の男』に復讐する機会を窺っていた。
彼女が踊る酒場の主人からはセクハラを受け、それを主人のお気に入りと見た踊り子仲間達からは疎まれ、異様な程不幸な日々を送っていたプリムロゼ。踊り子の中でも彼女の仲の良かった女性も主人に殺されてしまう。
『鴉の入れ墨の男』と繋がりのあった主人にトドメを刺し、プリムロゼは復讐の旅に出る決意をする。
そんな彼女の物語の特徴は、何と言ってもその暗さにある。そこが好きなんですけどね。
プリムロゼが復讐のために殺しを行う姿はどこか物悲しく、旅の目的を少しずつ結実させながらも悲愴感が漂う。更には案の定裏切り展開。貴族であった頃に淡い慕情を抱いていた男性は、父を殺した男達の1人。
プリムロゼに歪んだ愛情を持つその男の発するねっとりとしたプリムロゼェ……は耳に残る事必至。お前本当いい加減にしろよ。
4章ではボスと2回戦う事になるのだが、1回目は一章の敵とポージングが似ているのがちょっと印象的。上からプリムロゼを抑えつけ、妄執をぶつけて来ているところが、彼女から見ると似ている事の表現なのかも知れない。
全体的に暗く悲しいプリムロゼのストーリー。だが読後感は決して悪くなく、彼女の「見つけなきゃ」と生きる意味を探すための旅は続く、といった感じ。一つ所に留まらず、また旅立とうとするのも特徴と言えば特徴かも知れない。
ちなみに各キャラの4章を終えると1章の街に戻る仕様なのだが、彼女だけはサンシェイドではなく真の故郷であるノーブルコートに戻る。細かいけど好き。
・アーフェンのストーリー
あの恩人さんみたいに、大陸中の人を救ってくるぜ
クリアブルックの青年アーフェンは、かつて『恩人さん』に病気を治してもらった出来事から病を治す薬を処方する『薬師』となった若者。
未熟ながらも底抜けに優しいアーフェンは故郷を幼馴染にして同じ薬師のゼフに任せ、見聞を広めるため、そして大陸中の病人を救うため旅立つ。
旅先では、自ら病原を撒き高い薬代を請求して儲ける薬師ヴァネッサ、そして確かな腕を持ちながらも救う人間は選ぶべきだという厳しい考えを持つ薬師オーゲンという2人の同業者と出会う。
ヴァネッサは容赦なくとっちめるアーフェンだったが、オーゲンの意見はその時怪我を治した男が『街の子供を人質にして身代金を要求する』というクズであったため、彼の心に大きな迷いをもたらした。
私的意見になるが、傷病に苦しむなら全ての人を助けたいというアーフェンの心意気は応援したいし、この手の人間に持っていて欲しい心意気。それに薬師は人を裁く仕事ではないのだから、悪人でも救おうという彼の行動は間違っていないと思う。
それでもオーゲンが言う様に悪人はそうなって当然なのではないか? という考えがあるのも事実。実際にアーフェンはいつもの快活さがなくなるほどに思い悩み、自分は薬師としてやっていけるのかどうかすら分からなくなる。
とまあ、これがアーフェンのストーリー3章までの物語。長くなったし、4章は『演出』の項目で語るから割愛しちゃお。
書いてて思ったが、僕はアーフェンのストーリーが一番好きなのかも知れない。安定の裏切りはあったけど、それがアーフェンというキャラがずっと抱いていた信念を揺るがす事になるし、良い味出してたと思う。
あと本筋には関係ないんだけど、2章の双子の少女がとてつもなく可愛い。本当に。
ちなみにアーフェンが憧れる『恩人さん』とは、トレサが持つ日記帳の元の持ち主。
・テリオンのストーリー
だが、俺はそんな戯れ言を……本気で信じてみたくなったのさ!!
盗賊テリオンは、訪れたボルダーフォールという街の屋敷へ盗みに忍び込む。その奥で待っていたのは、屋敷の執事ヒースコート。老人とは思えぬほどの実力でテリオンと剣戟を交えるヒースコートは、彼に『盗賊にとっての恥』である罪人腕輪をつけさせる。
その理由は、屋敷の主人(まだ若い少女)であるコーデリアから語られる。奪われた屋敷の秘宝である竜石(全部で4つ、奪われたのは3つ)を奪い返すために、凄腕の盗賊が現れるのを待っていたとの事。奪い返して来れば、罪人の腕輪は外すという条件を与えられたテリオンは、渋々竜石を盗むために旅立つ。
そんなテリオンはかつての盗賊仲間に裏切られ崖から突き落とされた、いわゆる『0章裏切られ』の1人。
いわゆるとか言ったけど俺しか言ってない。
そんな裏切りの相手ダリウスの影が見え隠れするのは3章。テリオンの狙う竜石を持ち去り、合わせて2つの竜石を持って待ち構えるダリウス。そんな彼は『他人なんて利用するだけ利用すれば良い。都合が悪くなれば切り捨てる』などと吐き捨てる。
そんなダリウスに対して、盗賊の自分を信じてくれたコーデリアを見て変わったテリオンは『人を信じてみたくなった』と反論し戦闘。
熱い言葉と剣を交わして勝利を収めたテリオンは、ボルダーフォールへと帰還。敗北し散々他者を切り捨てたダリウスは、アジトで身体を冷やしていく。
とまあテリオンのストーリーはこんな感じ。4章はアツいしヒースコートはカッコいいんだけど、何でか妙に印象が薄い。本筋はコーデリアとの絆であって、ダンジョンに潜って〜みたいなのが過程でしかないからかな?
・ハンイットのストーリー
みんなに心配をかけたんだぞ?
森の村シ・ワルキの狩人ハンイットは、1年前依頼を受けて旅立った師匠ザンターを心配しながらも、森の生態系を守るための狩りを行っていた。
そんな折、師匠の相棒である魔狼ハーゲンが単身シ・ワルキに帰ってくる。その様子からザンターの身を案じたハンイットは、師から送られた最後の手紙にあったストーンガードという街を目的に旅立つ。
そんなこんなで道中起こった小さなトラブルを暴力で解決したりしてようやくハンイットはザンターを発見。しかしその姿は石像に変貌していた。
ザンターが標的としていた『赤目』という魔物の使う石化の対策を行ったり、ザンターを頼っていた聖火騎士から赤目の居場所を教えてもらったりしてようやく師を石にした赤目と対峙。事前の対策や聖火騎士の協力もあって倒すに至る。
テリオンと同じくダンジョンに潜ってる時よりも事前事後の方が話的には重要な気がするやつ。
ただ、森暮らしが長くぶっきらぼうで世間知らずなハンイットが人と関わったり、師匠に父親の様な感情を抱いている事が分かるのはぽかぽか要素として素晴らしい。あと幼少期の様にザンターの肩に担がれて恥ずかしがる様はとても可愛らしい。上の色付きの台詞を言う時の話し方もメチャクチャに可愛い。
これが26歳ちゃんですか。
ちなみに『赤目』は元は魔物ではない。その正体にはとんでもない秘密が隠されている。是非自分でプレイして、赤目の行動を見てみよう!!
とまあ、こんな感じでストーリーを振り返ったけど、やっぱり1つ1つは結構いい出来だと思う。ただ裏切りのパターン化が激しいのはちょっと……って感じ。
飽くまでメインストーリーは『8人の目的達成までの道のり』。裏にある陰謀や思惑はストーリー中では明かされない。クリア後までお預けだ。
ここが良いんだよ。彼等の旅を追体験してねって意図を感じられてとても良いんだよ。
パターン被りの件はだいぶマイナス(ていうか裏切る相手は大体初見で分かるところがマイナス)なんだけど、このスタンスが割と好きなのでこの点数で落ち着いた。
凄い文字数になったので一旦ここで記事を区切る。次はキャラ、演出、BGM。
あれ? 次の記事の方がよっぽど…………。
アライアンス・アライブ感想・評価
当記事ではゲーム『アライアンス・アライブ』の感想や評価を書き連ねる。
*僕はNintendo switchで発売されたリマスター版をプレイ。
発売元:フリュー
開発元:フリュー、キャトルコール、グレッゾ
ジャンル:RPG
ここから下は僕の個人的な感想・評価。
割と平気でネタバレするかもしれない。
簡易評価
○ゲーム性
まずはゲーム性の部分で僕の思う長所短所を羅列。
①『閃き』システムに相当する『覚醒』
②役割を明確にする『陣形』
③中盤からできることが一気に増える
④一度行った街やダンジョンに戻る探索の楽しさ
ここから短所
⑤ちょいちょい稼ぎプレイをしなきゃいけない
⑥一戦当たりの稼げる金やタレントが少ない
⑦パーティを分けるパートが中盤にあるだけ
⑧グロッサ3戦目
⑨ファイナルストライクが立ち位置として微妙になる
①
古き良きターン制コマンドバトル。サガシリーズのゲームデザイナーの方が関わっているらしく、ロマサガ2,3やサガフロでお馴染みの『閃き(本作では覚醒という名前)』のシステムを採用しており、このシリーズのファンには親しみやすい。
ちなみにシンボルエンカウントなのも同様。但し戦闘回数に応じて敵が強くなる事はないはず。
僕は1〜2年ほど前に発売された年にロマサガ1〜3とサガフロリマスターをプレイした(ロマサガ1はラスボスで詰み……)が、かなり似た感覚でプレイできた。敵がそんなに強くないので寧ろサガシリーズ触れた事ないよって方にこそオススメかもしれない。
とにかくこの覚醒が気持ち良い。プレイ中に好きなキャラがボス戦で強い技を覚醒して、そのまま倒した時の爽快感は半端じゃない。
②
この陣形システムもロマサガ2,3でお馴染み。位置によって役割を明確にできる良システム。ただし今作はストーリーを進めると自分で陣形を作成できる。前衛・中衛・後衛、およびアタッカー・ディフェンダー・サポーターを決定して配置する。
もちろん初めから用意されているものも有用ではあるが、好きなキャラをパーティに詰め込み、そのキャラに合ったポジション(役割)を当てる事が可能。楽しい。
この陣形作成で地味に好きなのが、フィールド操作キャラにネーミングを任せられるというところ。
例えば青空に憧れる少女なら『青空』という単語が入った名前、堅物な男性なら漢字一文字だけの名前をつけたがったりと、キャラクターの個性をより強めている。僕はキャラに愛着を持ちたがるタイプなので、この点は本当に地味な部分ながらも魅力的に感じた。
③
ストーリーが進んでいくと移動手段であった方舟が空を飛び、各地に存在するギルド(冒険サポートシステム的なアレ)が方舟内で利用できたり、そのギルドの発展を任されたりとできる事が増える。
空を飛べなかった時分からできることではあるが、空中はエンカウントしないので世界中ラクに飛び回れる。
行かなくても良い場所に上陸しまくって冒険を有利にしたり、思わぬ強敵と出くわして惨敗──あるいは進行度と不釣り合いな強技を修得して爆上がりしたり。
『やる事』ではなく『できる事』が増えるのは本当に楽しい。僕はあからさまに格上のドラゴンと戦って剣技・飽和攻撃と盾技・フォートレスを覚えた。うんがいい。
④
これは僕は好きなんだけど割と嫌う人がいそうな部分。③で軽く説明したギルドのレベルアップには、モブキャラ(ネームドだけど)の勧誘が必須。そういうわけで今まで行った街やダンジョンに勧誘できるモブがわんさかいて、方舟くんに東奔西走していただく事になる。
他にもいちばん初めに入ったダンジョンには後に出会うキャラそっくりの肖像画が飾られていたり、のちに手に入るアイテムそっくりの模型があったり、そのダンジョンにいる衛兵(モンスター)をギルドに勧誘できたりと要素はたくさん。
一度攻略した場所をもう一度……というのはめんどくさがる人も多いだろうが、新たな発見があるので是非『閉鎖美術館』二度目の来訪時には色々探索していただきたい。多分単純にこのダンジョンの雰囲気が好き。
⑤
ここから短所のターン。好きゲームなので短めに行きたい。
この作品は要所要所で強敵と戦う事になる(というか強敵以外のストーリーボスがあまり…)のだが、ストーリー中の稼ぎプレイというのは物語の進行を止める事になるので個人的には好ましくない。クリア後に裏ボス倒すため〜とかならやるんだけども。
まあファイナルストライクでゴリ押しできなくともないが……。
あ、稼ぎはやり易い場所がちゃんとある。親切なゲームだ!!!
⑥
タレントとは、消費してプレイアブルキャラの『資質』という成長要素や武器適正などを上げるためのポイントの事。タレントは基本的には敵を倒して入手する。お金も最終的にはそう。
タレントに関しては『美味しい敵が少ない』といった方が正確かもしれないが、美味しい敵ももっとくれて良いと思う。
問題はお金。サガシリーズっぽく敵を倒すよりダンジョン探索して宝箱から入手する方が稼げるのだが、もっとくれても良いと思う。
⑦
せっかく12人もいるんだからラスダンでもっかいみんな使うパートが欲しかった!!!!!
⑧
これ後でまた書くけど、戦う意味もそんなにないし『戦わなくても良い強ボス』の四凶を倒せるくらいまで育てると楽勝になる。
こんなグロッサ見とうなかった……と思いきややっぱり意外と融通の効く男。やるじゃん。
⑨
忘れてた。このゲームの目玉要素の一つ、ファイナルストライク。これは装備している武器を壊して発動する必殺技。システムの名前で合って技名じゃないよ。シャッタースタッフもないよ。
武器がなくなるわけじゃなくて破損状態になる。安い武器は雑魚が落としたりするし、中盤からは宿で休むだけで修繕される。楽しい。
本作はキャラ一人につき二つ武器を持てる。要するにメイン武器とファイナルストライク用のサブ武器を持たせろよって事なのだが、終盤強い技を覚醒させていると、ファイナルストライクとあまり変わらない与ダメを叩き出せる。
全体回復の様なファイナルストライクもあるにはあるが、デメリットが大きい。多分サガフロの生命の雨オマージュだけど、それの十倍使いにくい。全体回復は甘え、という事か……。
まあこれを使い易くし過ぎるともっとヌルゲーになっちゃうからね、しょうがない。
・ゲーム性まとめ
以上の点を評価して本作のゲーム性は9点とした。
目玉システムの1つであるファイナルストライクが終盤ちょっと微妙に感じたのと、資質習得に必要なポイントが多過ぎた事がマイナス。
ストーリー・キャラクター
また簡単に好き嫌いポイントをつらつらと。
①開幕から結構重めな設定をぶっ放してくる
②その割には意外とキャラの掛け合いとかはノリが軽い
③直接語られない/場合によっては把握できない設定がある
④プレイアブルキャラは12人、うち任意で仲間にできるのは3人
⑤取り敢えず女性キャラが可愛い
⑥要所要所で戦う事になる武力調停おじさん
ここから短所
⑦終盤の雑さ
⑧キャラボイスがない(これは正直一長一短)
①
重い設定大好き。
なんか千年くらい前に魔族なる者どもが現れて人間を支配した上に世界を四つに分断しましたって設定。魔族の手下である妖魔がクソ野郎成分多めで、少なくとも雨の世界では人間たちは臥薪嘗胆の日々を送っている様子。
主人公ガリルの幼なじみアーシュラが魔族グロッサによって失明させられる。二人はアーシュラの視力を取り戻すために──というのはまあ目的の一つとして、妖魔や魔族に抗うレジスタンスとして行動を開始する。そこからなんやかんや(詳しくはプレイしてみてね!)あるというストーリー。
正直神ストーリー!!というほどの物語ではないが、序盤は群像劇めいてて楽しい。
②
設定は重暗いけれど、キャラが多くなってくると明るい、軽い掛け合いが増えて気分が明るくなる。
重い世界観で重い話しまくるニーアレプリカントみたいなのももちろん好きだけど、そういう世界でキャラが明るいと愛着が湧く。
好きキャラはあとで書こうかな。
③
こういうの好き。
魔族、妖魔、そして水場や海を彷徨く水魔。彼等の正体に関しては明言はされないものの、任意で読めるテキストから妖魔と水魔に関してはある程度は推察できる。その辺の考察は別記事でやろうかな?
他にもワンコ執事イグナスやハイスペック幼女博士ティギーにも想像を掻き立てられるテキストがあったり、ストーリーに直接関わらないが色々知ってそうなキャラがいたりする。
全部説明してくれた方が気持ち良い、と思う部分もあるけど、ストーリーに関係ない部分はヒントを与える程度なのも空想のし甲斐があって好き。
④
多少主張の弱いキャラがいたりはするものの、あんまりキャラ被りしない程度の個性はある。
女性キャラは軒並み可愛くて次の項で全員紹介するつもりなので、男性キャラは三人程度ピックアップ。
イグナス
魔族的でない
魔族の貴族、ビビアンの執事。よく魔族的か魔族的でないかを説明するアキネイター。多分魔族的/部分的に魔族的。
ティギーに「ワンコ執事」と呼ばれる通りビビアン第一な振る舞い。ただ執事らしさを披露するのは口調と勝利モーションくらいで、服装も腹筋を披露する露出ぶり。
根本的には陽気な性格なのか、イグニッション時、そしてあるシーンでははっちゃける。可愛い。
ステータスそのものは魔術特化だが、なんとなーく上がり易い気がするHPを利用して僕は盾役をさせていた。普通に通用する。魔術はポジションレベル上げなきゃいけないのが面倒。
…彼にはとてもオイシイ設定があるのだが、あまり活かされなかった。それはそれで良いんだけど、ここは掘り下げて欲しかったなあ。
ロビンス
おあああああああああ!!!
ペンギン。ペンギンです。ペンギンは可愛い。
性能は武器を持てない代わりに独自の体術とつよつよバフを覚える唯一無二ペンギン。使えば使う程愛着が湧く。
任意追加キャラの中でもストーリー中に会う事のないいわゆる『隠しキャラ』で、仲間にすると以降のストーリーで空気の読めない言動行動を行う。とても楽しい。
こう見えて妻子がおり、言動もちょいちょい大人びている。酒も嗜む模様。
シキ
……。
無口で侍な老戦士。ある場所で昔兵士として戦っていたが、愛娘を喪い剣を置いた。が、ストーリー中に仲間に加えていない段階で操作できるパートがあり、その剣の腕が衰えていないところが窺える。
ビジュアル2億点キャラ。仲間に加えてもあまり発言しないが、そこが良い。老人だけあって体力はないが腕力が高い。カッコいい。
ちなみにこのキャラに陣形の名前をつけてもらうと、有り得ないほどやる気のない名前をつけようとしてくる。が、その中に一つ娘の名前と思しきものが……。
⑤
可愛い。男女コンビは大体女性側にイニシアチブがある。
アーシュラ
ガリル……どこ? 何も見えないよ……そこにいるの?
開幕から視力を奪われる青空に憧れ娘。だが印術によって周囲は知覚できるらしく、本人も気丈に振る舞っておりあまり悲愴感はない。
本当は繊細でガリルに負担をかけまいと強気に振る舞っている──と言われるが、それなら繊細な部分をストーリーに関係ないキャラ同士の会話とかで入れて欲しかったなあ。
目もそうだが、ストーリー序盤の山場にて更なる不幸を迎える。だからこそもっと弱い部分を見せて欲しかったが、本作は女性キャラのメンタルが全員アダマンタイトなのでそんな描写はない。
ただ、このゲームに三組ほど登場する男女コンビの中で唯一相方に好意を抱いてそうなところがある。可愛い。
ビビアン
あらあら、今度は間に合ったみたいですね
おっとりぽわぽわ魔族の貴族娘。知的好奇心が豊富で人間に差別的感情も抱いていない。
そして胸囲が脅威。
ストーリー中でのMVP候補であり、上記の台詞のシーンはとてもカッコいい。でも方舟が人を轢きそうになってもぽわっとした笑顔を崩さない。
長い髪に隠れてはいるが、衣装の背中部分の露出が激しい。チラリズムへの理解は魔族の嗜みなのか???
僕の一番好きなキャラ。魔術は面倒なので剣で戦っていたところ、四凶との戦いにて花香競姿彩に覚醒してそのままトドメを刺した。うーんロマンシング。
ティギー
うるてぃ!
スーパーハイスペックロリメカニック。専用のロボットに乗って戦う対ボス火力系。ネーミングセンスはない。
機械に詳しく肝も据わっているため方舟関連では発言する機会が多く、ストーリー中でとかく目立つ。ぶっちゃけビビアンとティギーが主人公過ぎてガリルくんの影が薄め。
うるてぃ! は終盤に二回程言った「うるさい!」的な意味合いのセリフ。なんか妙に印象的。序盤に言ってたっけ……?
勝利モーションでロボットから顔を出す。愛らし過ぎる。
上述したが、閉鎖美術館にて彼女そっくりの肖像画が見られる。
ストレートに考えれば先祖だが、本人じゃね? と思わなくもない。
レイチェル
イタタタタタタタタ!!
ガリルたちをちょっと助けて、暫くしてからプレイアブルになる斥候赤ずきん。レンツォと違ってファッションでなくちゃんとした弓使い。
ジーンとの男女コンビだが、ジーンもレイチェルも自意識がしっかりしたタイプで、互いに譲れない部分は譲らない。ジーンに足を踏まれるシーンは一回だけのはずだが、男性キャラが女性キャラを強く諌めるのは珍しいので印象的。
パーティの明るさ担当。レンツォと一緒におバカキャラしたり、斥候として敵地に乗り込んだり、宴でイグナスとはっちゃけたりする。
勝利モーションがとにかく可愛い。というか女性キャラの勝利モーションが良過ぎる。
マチルダ
ドラゴンガードの誉れ!
真面目だが堅物ではないドラゴンライダー。なんかすごい格好をした任意追加キャラ。
ぶっちゃけ発言ではなくストーリーで敵のいる場所に乗り込む手助けをしてくれたり、外の世界に憧れる姿が印象的かつ魅力的な美女。なんか00年代後半〜10年代前半はこう言うキャラが大流行していた印象。
仲間にするにはやや面倒な行程が必要になるが、その価値はある性能。
勝利モーションでは身体の側面をありありと見せつけてくれる。ドラゴンガードはチラリズムを嗜んでいない。
⑥
武力調停おじさんことグロッサ・ラダン。都合三回戦う事になる彼は魔族の中でも屈指の実力者。
一戦目では当然の様に勝てないし、二戦目は中盤戦の山場として存分に武力調停をぶっ放してくる。
その実力は特に二戦目でストーリーの盛り上げの一助となるのだが、三戦目では『魔族的』らしいプレイヤー目線で「戦う意味ある?」と思わせてくれる。あんまり強くないし。まあこういう価値観の違いも本作の特徴とも言えそう。
戦闘以外では何かと融通を効かせてくれる。二戦目のあとは潔く撤退してくれたり、三戦目のあとは「この場に相応しくない者を退場させた」という名目で一行を方舟まで戻してくれた。超高性能の槍もくれる。
サントラのタイトルが『武力調停』だったり、最後のムービーでメインテーマと共に現れたりと、制作スタッフからも相当気に入られている模様。
どっちかというとストーリーで戦う敵キャラにグロッサ以外の魅力的なキャラがいないと表現した方が良いかも……。
⑦
終盤、というよりは魔界に行ってからがアッサリ過ぎる。まあ方舟が動かせないので長くても困るのだろうが。
でもせっかくビビアンやイグナスの故郷に来たのだから、その二人や直接ストーリーに関わらない友好的な魔族キャラの掘り下げが欲しかった。
あとはぽっと出でも良いからカッコいい敵キャラ。真四魔貴族みたいな任意で戦う敵でも良いから、魔界をもっと探索させて欲しかった。
⑧
一長一短。ロビンスが余計な口挟んだりして賑やかになるのはボイスがない(聴覚に負担がかからない)からこそできる芸当だと思うのだが、ムービーシーンでは自動で字幕が送られてスルスルと物語が進んでいく。お陰で文字を追うのに必死になってしまう。
でも逐一ついたらついたでめんどくさいんだよなあ……。
キャラ・ストーリーまとめ
ストーリーにはやや物足りなさがあるものの、設定とキャラクターは王道的ながらも魅力的。
正直ここだけ別記事にしても良いくらい尺を取ってしまったが、そうするならスクショをふんだんに使いたいので、次回への参考としよう。
BGM
携帯モードでやってたせいか、正直メインテーマと強シンボル戦の曲しか印象に残っていない……のだが、ペンドラゴンさんに頼んで聴くと良い曲が多い。プレイ時には是非BGMがしっかり聴こえる環境でやって欲しいですね。
演出・その他
演出面はあんまり印象に残るものはないが、まあマイナス要素もなし。
その他はUI関連。ほとんどは難しい操作もなく陣形やパーティ編成も慣れれば問題なし。
けれど、気になったのはカメラ。方舟での飛行時には縦でのカメラ操作が不可能で、下ばっかり見える。いや飛んでるから下を見るのは当たり前なのだが、何故か首が痛くなりそう。もうちょっと水平方向寄りのカメラにして欲しかった。
もしかしたら四つ目の世界は普通に空が青いから、それを見せない様にしたかったのかも?
総評
冒頭で述べた通り、サガシリーズファンや同シリーズに興味のある方に勧めたい作品。ボリューム方面で不満はあるが、個人的には年末年始のセールで買ったので値段の三倍くらいは楽しめた。
良いゲームだけど、せっかくリマスターしたんだからボリュームアップしようよ。が総合的な感想かなあ。
はじめてのゲーム感想記事なので拙い部分もあったと思うが、閲覧していただいた方には多大な感謝を。あなたが未プレイであれば、是非とも手に取っていただきたい作品です。
考察記事は書こうかな……どうしようかな……設定資料とか出たらしいし、的外れな事言うのも恥ずかしいんだよな……。
でも考えたくなる様な情報の撒き方してるんだよなあ……。